○羽曳野市景観条例

平成26年3月31日

条例第15号

目次

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 景観計画に基づく景観形成

第1節 景観計画の策定等(第10条―第14条)

第2節 行為の規制等(第15条―第26条)

第3節 景観地区(第27条―第33条)

第4節 景観重要建造物及び景観重要樹木(第34条―第37条)

第3章 市民等との協働による景観形成(第38条)

第4章 景観審議会(第39条)

第5章 雑則(第40条・第41条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観形成に関する基本理念を定め、市、市民等、事業者及び専門家の責務を明らかにするとともに、本市における良好な景観の形成に関する基本的な事項及び景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行について必要な事項を定めることにより、現在及び将来にわたり市民共通の資産としての景観形成を図り、もって快適な暮らしの環境の創造と市民文化の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例の用語の意義は、法に定めるところによる。

2 前項に定めるもののほか、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 景観形成 良好な景観を創造し、又は保全することをいう。

(2) 工作物 建築物以外のもので規則で定めるものをいう。

(3) 市民等 市内に居住し、通勤し、若しくは通学する者又は市内に事業所を置き事業活動その他の活動を行う者若しくは団体をいう。

(4) 事業者 市内において建築物の新築その他の景観に影響を与える行為をしようとする者又はした者をいう。

(5) 専門家 本市の景観に関する研究又は活動を行う者又は団体をいう。

(基本理念)

第3条 市、市民等、事業者及び専門家は、自らが景観形成の主体であることを認識し、それぞれの責務のもと、協働して景観形成に取り組み、豊かな美しさと風格を守り、育み、継承するよう努めなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、景観形成に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、これを実施する責務を有する。

2 市は、景観形成に関する施策の推進に当たり、市民等、事業者及び専門家の意見が反映されるよう努めなければならない。

3 市は、市民等、事業者及び専門家が景観形成に積極的な役割を果たすことができるよう、景観形成に関する知識の普及その他の啓発活動に努めなければならない。

4 市は、市民等、事業者及び専門家が行う景観形成に関する取組の支援に努めなければならない。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、基本理念に基づき、自らの日常生活や行動が景観に影響を与えるものであることを認識し、自主的かつ積極的に景観形成に努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、土地の利用等の事業活動が景観に影響を与えるものであることを認識し、自主的かつ積極的に景観形成に努めなければならない。

(専門家の責務)

第7条 専門家は、基本理念に基づき、専門知識等を活用して、積極的に景観形成に努めなければならない。

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第8条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重するとともに、公共事業その他の公益との調整に留意しなければならない。

(国等に対する要請)

第9条 市長は、必要があると認めるときは、国若しくは地方公共団体又はこれらが設立した団体に対し景観形成について協力を要請するものとする。

第2章 景観計画に基づく景観形成

第1節 景観計画の策定等

(景観計画の策定及び変更)

第10条 市長は、基本理念に即して、景観計画(法第8条第1項に規定する景観計画をいう。以下同じ。)を定めるものとする。

2 市長は、景観計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ第35条第1項に規定する羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(景観形成促進区域の指定)

第11条 市長は、景観計画区域(法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域をいう。以下同じ。)のうち、当該区域の特性を活かした景観形成のさらなる促進を図る必要があると認める区域を景観形成促進区域として指定することができる。

2 市長は、前項の規定により景観形成促進区域を指定するときは、併せて当該景観形成促進区域ごとにその特性に応じた景観形成に関する方針及び景観形成促進区域内における地区ごとの景観特性に応じた区域区分その他必要な事項を景観計画に定めることができる。

(景観形成重点区域の指定)

第12条 市長は、景観計画区域のうち、当該区域の特性を活かした景観形成を重点的に図る必要があると認める区域を景観形成重点区域として指定することができる。

2 市長は、第1項の規定により景観形成重点区域を指定するときは、併せて当該景観形成重点区域ごとにその特性に応じた景観形成に関する方針その他必要な事項を景観計画に定めることができる。

(計画提案をすることができる団体)

第13条 法第11条第2項の条例で定める団体は、景観計画の策定又は変更を提案しようとする土地の区域の市民等又は事業者と協働し、当該土地の区域の景観形成を図ることを目的として活動を行っている団体であって、同条第3項に規定する計画提案を行うことができる団体(次項において「計画提案団体」という。)として、市長の認定を受けた団体とする。

2 計画提案団体の認定等について必要な事項は、規則で定める。

(計画提案を踏まえた景観計画の策定等をしない場合の手続)

第14条 市長は、法第14条第1項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

第2節 行為の規制等

(事前協議)

第15条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長に協議書を提出し、当該届出の内容について協議することができる。

2 前項の規定による届出のうち、景観制限事項(法第8条第2項第2号の行為の制限に関する事項をいう。)の適用が除外される場合のうち規則で定める場合に該当するものとして届出をしようとするときは、当該届出に先立ち、市長と協議しなければならない。

(行為の届出等)

第16条 法第16条第1項第1号から第3号までに掲げる行為及び第17条に規定する行為に係る法第16条第1項及び第2項の規定による届出並びに同条第5項の規定による通知は、規則で定めるところにより行うものとする。

(届出を要する行為)

第17条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

(2) 木竹の植栽又は伐採

(3) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積

(届出を要しない行為)

第18条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げるものとする。

(1) 法第16条第1項第1号から第3号までに掲げる行為であって、規則で定める規模のもの

(2) 他の法令に基づく許可、届出等を要する建築物の建築等及び工作物の建設等であって、規則で定めるもの

(3) 前2号に掲げるもののほか、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為(法第16条第7項第1号に掲げる行為を除く。)であって、規則で定めるもの

(4) 前条各号に掲げる行為であって、規則で定める規模のもの

(助言及び指導)

第19条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、良好な景観の形成のために必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な措置を講ずるよう助言し、又は指導するものとする。

(勧告の手続)

第20条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告をしようとする場合において、必要があると認めるときは、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(公表)

第21条 市長は、法第16条第3項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、その者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称、代表者の氏名及び住所)並びに当該勧告の内容を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表に係る勧告を受けた者に対し、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、意見を述べる機会を与えなければならない。

(特定届出対象行為)

第22条 法第17条第1項の条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げる行為のうち、同項の規定による届出を要するものとする。

(変更命令等の手続)

第23条 市長は、法第17条第1項又は第5項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(行為の完了等の届出)

第24条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了し、又は中止したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

2 前項の規定は、法第16条第5項の規定による通知を要する行為について準用する。

(届出を要しない行為の景観計画への適合)

第25条 景観計画区域内において、法第16条第1項第1号から第3号までに掲げる行為及び第17条に規定する行為をしようとする者は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出を要しない場合であっても、当該行為が景観計画に適合するよう努めなければならない。

(景観阻害物件等に関する要請)

第26条 市長は、景観計画区域において良好な景観形成を阻害するものであると認められる建築物等その他の物件があるときは、その所有者、使用者等に対し、良好な景観形成のための必要な措置を講ずるよう要請することができる。

2 市長は、前項の規定による要請をしようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

第3節 景観地区

(景観地区の決定手続)

第27条 市長は、景観地区を定めようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(認定申請の方法)

第28条 法第63条第1項の規定により計画の認定の申請を行おうとする者は、当該申請に係る建築物の形態意匠を示す図面その他規則で定める図書を申請書に添付しなければならない。

2 前項の規定は、法第66条第2項の規定による通知を要する行為について準用する。

(認定の手続き)

第29条 市長は、市街地の良好な景観の形成を図るため必要があると認めるときは、その必要の限度において、法第63条第2項又は第66条第3項の規定による認定に条件を付すことができる。

2 市長は、法第63条第3項又は第66条第3項の適合しない旨の通知書を交付しようとする場合において、必要があると認めるときは、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(違反建築物に対する措置命令の手続)

第30条 市長は、法第64条第1項の規定により違反を是正するために必要な措置をとることを命じようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(建築物の適用の除外)

第31条 法第69条第1項第5号に規定する良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれが少ない建築物は、次に掲げる建築物とする。

(1) 工事、祭礼又は慣例的行事のために必要な仮設の建築物で、工事等の期間中に限り存続するもの

(2) 建築基準法(昭和25年法律第201号)第85条第6項に規定する仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する建築物で、存続する期間が1年以内のもの

(3) 地下に設ける建築物又は建築物の部分

(4) 大阪府文化財保護条例(昭和44年大阪府条例第5号)第7条第1項の規定により大阪府指定有形文化財に指定され、同条例第38条第1項の規定により大阪府指定有形民俗文化財に指定され、又は同条例第46条第1項の規定により大阪府指定史跡に指定された建築物

(5) 羽曳野市文化財保護条例(平成6年羽曳野市条例第4号)第4条第1項の規定により羽曳野市指定有形文化財に指定され、同条例第30条第1項の規定により羽曳野市指定有形民俗文化財に指定され、又は同条例第38条第1項の規定により羽曳野市指定史跡に指定された建築物

(6) 前2号に掲げる建築物であったものの原形を再現する建築物で、市長がその原形の再現がやむを得ないと認めたもの

(7) 前各号に掲げるもののほか、規則で定めるもの

(景観地区内における行為の完了等の届出)

第32条 法第63条第2項による認定を受けた者は、当該認定に係る行為を完了し、又は中止したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。

2 前項の規定は、法第66条第2項の規定による通知を要する行為について準用する。

(認定を要しない行為の景観地区への適合)

第33条 景観地区内において、法第63条第1項又は第66条第2項に規定する建築物の建築等をしようとする者は、法第63条第2項又は第66条第3項の規定による認定を要しない場合であっても、当該行為が景観地区に定められた建築物の形態意匠の制限に適合するよう努めなければならない。

第4節 景観重要建造物及び景観重要樹木

(景観重要建造物及び景観重要樹木の指定の手続等)

第34条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物を指定し、又は法第28条第1項の規定により景観重要樹木を指定しようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

2 市長は、景観重要建造物又は景観重要樹木を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

3 前2項の規定は、法第27条第1項若しくは第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除又は法第35条第1項若しくは第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除について準用する。

(景観重要建造物及び景観重要樹木の原状回復命令等の手続)

第35条 市長は、法第23条第1項(法第32条第1項において準用する場合を含む。)の規定による命令又は法第26条若しくは法第34条の規定による命令又は勧告をしようとするときは、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(景観重要建造物の管理の方法の基準)

第36条 法第25条第2項の規定により条例で定める景観重要建造物の管理の方法の基準は、次のとおりとする。

(1) 修繕を行うときは、原則として当該修繕前の外観を変更しないこと。

(2) 消火器の設置その他の景観重要建造物の防災上必要な措置を講じること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために必要な措置を講じること。

(景観重要樹木の管理の方法の基準)

第37条 法第33条第2項の規定により条例で定める景観重要樹木の管理の方法の基準は、次のとおりとする。

(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪定その他の必要な管理を行うこと。

(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病原虫の駆除その他の必要な措置を講じること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために必要な措置を講じること。

第3章 市民等との協働による景観形成

(景観形成推進団体の認定及び取消し)

第38条 市長は、一定の区域における良好な景観の形成を推進することを目的として組織された団体で、次に掲げるすべてに該当するものを景観形成推進団体(以下「推進団体」という。)として認定することができる。

(1) 団体の活動が当該区域における良好な景観の形成に有効であると認められるものであること。

(2) 団体の活動が当該区域の多数の住民に支持されていると認められるものであること。

(3) 団体の活動が関係者の所有権その他の財産権を不当に制限するものでないこと。

(4) 規則で定める要件を具備する団体の規約を定めていること。

2 前項の規定による認定を受けようとする団体は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

3 推進団体は、その活動状況その他市長が必要と認める事項について、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。

4 市長は、推進団体が同項各号のいずれかに該当しなくなったと認めるとき、又は推進団体として適当でなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。

5 市長は、第1項の規定による認定又は前項の規定による認定の取消し(廃止の届出による認定の取消しを除く。)をするときは、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

第4章 景観審議会

(羽曳野市景観審議会)

第39条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する市長の附属機関として、この条例によりその権限に属することとされたもののほか、次に掲げる事項について調査し、審議するため、羽曳野市景観審議会を置く。

(1) 法第81条に規定する景観協定の締結、変更又は廃止に関する事項

(2) 法第92条に規定する景観整備機構の指定又は取消しに関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、景観形成に関する重要事項

2 前項に定めるもののほか、羽曳野市景観審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

第5章 雑則

(表彰)

第40条 市長は、景観形成に寄与していると認められる建築物、工作物、広告物その他の物件について、その所有者、設計者、施工者等を表彰することができる。

2 市長は、特に景観形成に寄与していると認められる市民等、事業者又はその団体による活動、功績等について、その主体となった個人又は団体を表彰することができる。

3 市長は、前2項の表彰に当たっては、あらかじめ、羽曳野市景観審議会の意見を聴かなければならない。

(委任)

第41条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

 抄

(施行期日)

1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。ただし、第17条の規定は、平成26年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、大阪府景観条例(平成10年大阪府条例第44号。以下「府条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為であってこの条例の施行の日以後において本市が処理することとなる事務に係るものは、この条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。

(市の景観計画の発効までの経過措置)

3 この条例の施行の日から、市の景観計画の効力が生ずる日の前日までの間(以下「移行期間」という。)は、法第16条第1項各号に規定する行為をしようとする者は、大阪府景観計画(平成24年大阪府告示第614号)に適合しなければならない。

4 移行期間は、第18条に規定する法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、府条例第12条に規定する行為とする。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

5 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和36年羽曳野市条例第188号)の一部を次のように改正する。

[次のよう]略

(平成27年9月4日条例第30号)

この条例は、平成28年1月4日から施行する。

(令和4年5月25日条例第19号)

この条例は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(令和4年法律第44号)附則第1条第2号の政令で定める日から施行する。

羽曳野市景観条例

平成26年3月31日 条例第15号

(令和4年5月31日施行)

体系情報
第11編 設/第2章 都市計画
沿革情報
平成26年3月31日 条例第15号
平成27年9月4日 条例第30号
令和4年5月25日 条例第19号