届出から調査まで

更新日:2024年01月19日

埋蔵文化財包蔵地

 文化財保護法には「国及び地方公共団体は、周知の埋蔵文化財包蔵地について、資料の整備その他その周知の徹底を図るために必要な措置の実施に努めなければならない」とあります。このため、文化財分布図(平成20年3月31日現在)では、羽曳野市内の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)を明記していますのでご注意ください。 なお、遺跡の範囲は追加・変更される場合がありますので、建築工事や開発等の計画にあっては新しい分布図に基づいて計画・協議を行なってください。

文化財保護法に伴う埋蔵文化財発掘の届出から調査まで

土木工事等の位置・現状確認

 羽曳野市内において、住宅建築・擁壁・盛土・切土など土木工事をするときは、文化財保護法によりその場所が周知の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)にあたるかどうかを確認する必要があります。また、ため池における土木工事にも事前協議が必要です。
 現在、建築確認・開発申請については都市計画課等で、農地転用は農業委員会で確認を行っていますが、文化財の保護及び事業のスムーズな進行のためにも、工事内容を決定される前に市役所別館3階文化財保護課へご相談ください。
 なお、申請地が遺跡に該当するかどうかの電話でのお問い合わせは、トラブルの原因となりますので、直接窓口へお越しになり詳細図で確認してください。新たに遺跡が追加されたり遺跡範囲が拡大されている場合がありますので、各々の開発行為の企画・策定段階で当課で確認してください。

発掘届出書

 土木工事を計画されている場所が周知の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)である場合は、発掘(土木工事)に着手しようとする60日前までに、『埋蔵文化財発掘の届出書』を大阪府教育委員会に届け出なければなりません(文化財保護法第93条)。
 届出書は、羽曳野市教育委員会・大阪府教育委員会への2部が必要で、必要書類や記載事項についての詳細は、文化財保護課へお問い合わせください。 国・府や市の史跡指定地については、通常の遺跡とは取り扱いが異なり、基本的には工事を行うことが出来ません。やむを得ず現状を変更しようとする場合は、あらかじめ文化財保護課と必ず協議してください。
 なお、『埋蔵文化財発掘の届出書』を受理した時点で、建築確認申請書や事前協議書への裏書が可能となりますので、必ず書類をご持参ください。
 後日、大阪府教育委員会の指示に基づき、発掘調査・工事立会・慎重工事等の指導内容を申請者に通知します。なお、過去に同じ土地において届出を提出し、発掘調査等を実施されている場合でも、新たに工事を行う場合は発掘届出書の提出が必要となります。

大阪府教育委員会の指示

 発掘届出から約1ヶ月で大阪府教育委員会の指示が、市を経由して申請者へ届きます。この指示(文化財保護法93条第2項)に基づき、調査等を実施します。

調査の種類と方法

 大阪府教育委員会の指示や申請地周辺での過去の調査成果にもとづき、届出者と文化財保護課との間で、調査方法や日程等の協議を行います。その方法には、次の種類があります。

発掘調査
 住宅建築や一般の土木工事全般に対して行います。この場合、事前調査により土層や掘削面の確認を行い、遺跡の状況を判断します。その結果、遺跡が壊される場合は、その範囲に限って発掘調査を実施します。なお、発掘調査により重要遺構が確認された場合の保存措置については、別途協議することとなります。

工事立会
 ガス・水道・電気等工事による小範囲の掘削や再掘削など、明らかに近年の盛土や造成土内の工事であり、地下の遺跡に影響または遺跡の保存に支障がないと判断される場合。

 なお、回答を受取った後は、工事(掘削を行う工事)日程などの連絡を必ず行ってください。

慎重工事
 すでに削平等を受けて遺構等が明らかに存在しない場合や、基礎掘削を伴わない増改築工事などは、慎重工事をお願いします。工事中に遺物・遺構などを発見した場合は、すみやかに届け出てください。

保存についての協議

 上記事前調査の結果、遺跡が確認された場合は申請者と文化財保護課とで、保存についての協議を行い、構築物の配置や掘削深度の変更、盛土による地盤の変更など、保存のためのご協力をお願いします。この場合、保存に関する確認書の提出と工事の立会いが必要となります。

本調査の実施

 保存協議の結果、計画変更が不可能で、工事に際し遺跡を壊すなどの影響が生じる範囲については、本格的な発掘調査を実施します。この調査は、期間や費用について十分な協議や調整のうえ実施します。

発掘調査の費用負担

 個人専用住宅など営利的性格のない場合には、発掘調査費は公費で負担します。これ以外の場合には、事業者に協力を求めています(文化財保護法第99条及びユネスコ憲章の勧告-1968 )。なお、事業者(原因者)負担で発掘調査を実施する場合、本市教育委員会と覚書を交わし、これに基づいて行います。

調査終了

 事前調査や発掘調査の終了した後、建築確認申請書や開発申請書等の書面に調査終了の裏書きをしますので、必ず書類をご持参下さい。なお、別途終了の証明が必要な場合は担当者に申し出て下さい。

出土遺物の取り扱い

 発掘等で出土した遺物を拾得した場合は、当該物件を7日以内に警察署長に通知しなければなりません(遺失物法第4条1項、文化財保護法第100条・108条)。

 出土遺物が保存もしくは学術上、現物の差出に支障があったり、量が多い場合には、「埋蔵物発見届」の提出をもって代替としています。

試掘調査(埋蔵文化財包蔵地外で土地の面積が300平米を超える場合)

 本市においては、埋蔵文化財包蔵地以外の場所で土木工事等の申請面積が 300平方メートル以上のあらゆる土木工事などを行おうとする場合は、事前に『土木工事等による試掘調査依頼書』の提出が必要です。その上で事前に調査内容や日程等について打ち合わせしてください。

 試掘調査を行なわず工事中に遺跡や遺物が確認された場合、工事の中止などの措置をとることになります(文化財保護法96条)、工事の進捗に大きな影響を与えますので、事前調査にご協力ください(羽曳野市文化財保護条例第44条・羽曳野市開発指導要綱第19条)。

遺跡の発見届出

 発掘届出による調査以外で、遺構や遺物などを発見したときは、現状を変更せずに文化庁長官に届出なければなりません。文化庁長官は、この届出のあった場合、その現状を変更する行為の停止又は禁止を命じることができます。その期間は、3ヵ月ですが、調査の進行にあわせて通算して6ヵ月まで延長できます。また、文化庁長官は、届出がなされなかつた場合においても 現状変更の停止等 の措置をとることができます(文化財保護法第96条)。

この記事に関するお問い合わせ先

羽曳野市教育委員会事務局
生涯学習部 文化財・世界遺産室
大阪府羽曳野市誉田4丁目1番1号
電話番号:072-958-1111(代表)
ファックス番号:072-947-3633

メールフォームによるお問い合わせ